乳腺のしこりにご注意を!乳腺全摘出。

お腹にしこりがあると猫ちゃんが来院されました。
 
しこりを主訴にいらした場合、まずそのしこりが何であるのかをつきとめる細胞診検査を勧めます。
ただし、細胞診検査でもすべての細胞を針でとることはできないため、100%ではありません。
 
この猫ちゃんも細胞診をさせていただきました。
 
結果では乳腺癌の可能性があるとのことだったので、手術で切除することになりました。
ねこちゃんの乳腺のしこりは90%の確率で悪性といわれ、悪性の場合、左右両方の全部の乳腺と鼠径リンパ節の切除および術後の抗癌剤治療をすすめます。
 
傷は大きくなりますが、しこりだけを切除するよりも予後はかなりよいといえます。
 
ちなみにわんちゃんは悪性良性は半々です。
 
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皮膚は乳腺組織をすべて切除するため、大きく切開していきます。
 
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鼠径リンパ節も切除していきます。
 
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出血点があれば電気メスや糸で止血します。
 
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大部分の皮膚を切り取ったため、皮膚をそのまま引っ張って縫合すると皮膚と腹壁の間に死腔(デッドスペース)ができてしまいます。死腔ができないよう皮膚と腹壁を縫合していきます。
 
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最後はステープラーという医療用のホチキスのようなもので皮膚を縫合しています。
 
この猫ちゃんは元気に退院しました。
 
1歳以下で避妊手術をすると、乳腺腫瘍になる確率が低くなるといわれています。
 
本院では腹腔鏡を使用した避妊手術も行っています。
 
ぜひご相談ください。

 

 

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